このページの目次
D. 抜歯・非抜歯によって、treatment goalが異なる
E. 治療期間の予測は困難
G. 後戻り、relapse
H. 矯正治療の問題点
I. 選択肢
A. スケジュールと治療費と院内分割
今日の相談、明日の検査、明後日の診断、明明後日の装置接着も可能
初診- 無料相談(約30分)
2回目-無料検査(約30分)
3回目-無料診断(約30分)
4回目-上下のセラミック表側装置接着(約60分)
毎月2万円づつ(分割1万円と再診料1万円)
装置料:1万円X43か月の院内分割
再診料:1万円 (来院ごと)
*院内分割金額と再診料の合計で毎月2万円づつ
*43か月より早く治療終了の場合は、
残りの分割金額を毎月1万円づつ銀行振込
*再診料に白色ワイヤ,スクリュー,リテーナ1組を含む
*今だけ消費税込み *院内分割は審査なし
14時-21時の診療 "女性の成人矯正"専門 新宿駅近
1時間前まで(無料相談も可) 1時間前まで
B. アンカースクリューは万能ではありません
- アンカースクリューは、アンカレッジ(固定源)を増加させ効率的に歯を動かすための装置であり、骨や口唇の形を変える装置ではありませんので、骨や口唇に問題があるクチゴボやガミースマイルには役に立ちません。顎変形症に使用されるdistraction osteogenesisやmicroimplant assisted rapid palatal expansion(MARPE)は骨の形を変化させますが、これらはクチゴボやガミースマイルには適用できません。
→ アンカースクリューは再診料に含まれる
C. 大学病院では、性能の良い表側矯正がメイン
表側も裏側もインビザも、“歯冠に物理的な力が加わると、歯根が骨を圧迫して圧迫側の骨が吸収され、反対側の骨の表面に骨が添加される生体反応”を利用して歯を動かすというメカニズムは同じです。でも、歯冠に加わる力の作用点の位置が異なるので、歯の移動パターンは異なります。一般的な症例では、“歯の移動のコントロールのしやすさ”で順位をつけると、表側、裏側、インビザの順です。
"表側にワイヤは困る"という大人の事情があれば裏側orインビザの選択、大人の事情がなければより確実で治療期間の短い表側の選択でしょう。
大学病院は、“見た目ではなく性能優先”ですから、性能の良い表側がメインです。
D. 抜歯・非抜歯によって、treatment goalが異なる
こっちの歯医者は“抜歯しましょう”、別の歯医者は“非抜歯にしましょう”ということも多い。抜歯の先生は“歯ならびを揃えるだけではなく、健康な歯を抜歯してもいいから前歯を後退させたい”と考えており、一方、非抜歯の先生は“歯ならびを揃えると前歯が少し前に出るけど、健康な歯を抜歯したくない”と考えているのです。このように、抜歯と非抜歯ではtreatment goalが異なります。
最終的には、患者さまが決めることです。
borderline caseでは、非抜歯で治療をスタートして、前歯が揃うころに抜歯・非抜歯を考えていただくこともあります。
→ 抜歯は再診料に含まれる(難抜歯は他院にて)
*院長の好きな歌
If You Are Happy And You Know It
Baby Shark
Fireworks
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E. 治療期間の予測は困難
- 要因
-
@歯の移動速度には個人差が大きい。
- ・ 臨床実験では8週間(?)の歯の移動量は0.8mm〜5.8mmと個人差が大きかった(Catherine Giannopoulou et al. EJO 2016)(Dr.井上の意見:palatal archを装着し、将来的に抜歯する小臼歯を1本だけブレースで頬側に移動させているので、傾斜移動となり、咬頭頂の移動量を計測しているので、5.8mmも動いているのだろう)(原著で確認してください)
・ 骨密度が高いと歯の移動速度は遅い。
・ 咬筋が厚い(噛む力が強い)と歯の移動速度は遅い(Dr.井上の意見:咬合力が大きいと上下の咬頭が干渉してClass II の大臼歯関係をClass I にするのに時間がかかるということらしい)。
・ その他。
- 過蓋咬合、開咬、埋伏歯、大臼歯の移動などの治療期間は長くなる傾向にあります。
- 骨格性の要因のある症例では、dental compensationしてcamouflage treatment や compromise treatment になりますから、歯医者は深追いしません。
- 非抜歯症例でレべリングが終わると上下のかみ合わせは良好で装置撤去となることもあれば、または、抜歯症例で抜歯スペースを閉鎖すると上下のかみ合わせは良好で装置撤去となることもあれば、レべリング終了orスペース閉鎖が終了した時点から更に微調整が必要になることも多い。Dr.井上は、“歯槽骨の形態and/or歯の萌出力の差”ではないだろうかと考えています。
-
実際には、“簡単、簡単”と思った症例に手こずったり、“苦労するぞ”と思った症例がすーっと治療できたりします。矯正専門医であれば、ある程度、治療期間の予測はできますが、10%(?)ぐらいの確率でその予測がはずれるような...
F. ブラケット撤去後に保定装置が必要
- 歯ならびがそろって矯正装置を撤去した直後は後戻りしやすいので、リテーナ(保定装置)が必要です。当クリニックでは、通常、歯の裏側にbonded retainerを接着し、このbonded retainerを接着したままで、positionerなどでsettling後に取り外しのできるclear retainerを家にいるときに装着していただくことが多い。
→ リテーナ1組は再診料に含まれる
取り外し | settling | 虫歯や歯周病 | 耐久性 | その他 | |
Hawley retainer | 可 | ○ | 破折あり | ||
bonded retainer | 不可 | △ | なりやすい | ワイヤ破折や接着剤脱離あり | 外から見えない |
clear retainer | 可 | X | 変形や破折あり | ||
positioner et al. | 可 | ◎ | 変形や破折ありうる | 大きいのでしゃべれない |
"後戻り(relapse)"は大なり小なり必ず起こりますが、"大なり"なのか、"小なり"なのか、その予測は困難です。
bonded retainerはいつまで接着しておくのでしょうか。ただし、空隙歯列や軽度の叢生などは永久保定です。
医療処置には必ずプラス面とマイナス面があります。bonded retainerのプラス面は"後戻りしにくい"で、マイナス面は"虫歯や歯周病になりやすい"や"接着剤脱離やワイヤ破折もある"や"接着剤の完全除去は困難"などです。結局、どちらを優先するかです。
当クリニック院長の考えは(エビデンスなし)、bonded retainerを数年後に撤去します。後戻りが許容範囲内なら、OKです。後戻りが許容範囲を超えるのなら、再治療して、今度は bonded retainerを半永久的に接着しておく。
なお、当クリニックには保証制度はありませんので、再治療費が必要です。ネットで調べると、保証制度のある矯正歯科クリニックがごく少数ながら存在するようです。
初診- 無料相談(約30分)
2回目-無料検査(約30分)
3回目-無料診断(約30分)
4回目-上下のセラミック表側装置接着(約60分)
毎月2万円づつ(分割1万円と再診料1万円)
装置料:1万円X43か月の院内分割
再診料:1万円 (来院ごと)
*院内分割金額と再診料の合計で毎月2万円づつ
*43か月より早く治療終了の場合は、
残りの分割金額を毎月1万円づつ銀行振込
*再診料に白色ワイヤ,スクリュー,リテーナ1組を含む
*今だけ消費税込み *院内分割は審査なし
14時-21時の診療 "女性の成人矯正"専門 新宿駅近
1時間前まで(無料相談も可) 1時間前まで
G. 後戻り、relapse
relapse(後戻り), reoccurence(再発), instability(不安定), unstability(不安定) の違い
"後戻り" は大なり小なり必ず生じます。"大なり" なのか "小なり" なのか、その予測は困難ですが、診断時に "歯の移動量" と "歯列矯正治療後の後戻りの量" を予測して、歯の移動量の方が大きいと予測されれば歯列矯正治療、歯の移動量と後戻りの量があまり変わらないと予測されれば歯列矯正治療以外の方法を考える。たとえば、"矯正治療で歯を5mm移動させて1mm後戻り"は歯の移動量のほうが大きいので許容範囲内(?)。"矯正治療で歯を1mm移動させて1mm後戻り"は後戻りの比率が大きいので許容できない。他の例では、体重100sを60sまで減量して10sリバウンドして70sになったのならダイエット成功です。体重70sを60sまで減量して10sリバウンドして70sになったのならダイエット失敗です。(Dr.井上の意見です)
*永久保定(permanent retention)をどう考えるかによって意見が分かれるでしょう。
"後戻り"と"再発"の違い(Dr.井上の意見)(もっと良い定義があれば教えてください)
・"後戻り"とは、症状は軽減したが病気自体は完治しておらず、症状が再び悪化すること。他の例では、設計後戻りとは、同じ物件の設計をやり直すこと。
・"再発"とは、病気は完治したが、または、完治したように見えたが(臨床では、"完治した"と"完治したように見えた"を識別できません)、その後、同じ病気になること。他の例では、作業ミスが再発した場合、過去の作業ミスと今回の作業ミスは同じミスですが、これら両者の間には直接的な関係はありません。
*"完治"の定義によって意見が分かれるでしょう。
矯正治療では"後戻り"という言葉を使用することが多い。すなわち、矯正治療では、病気自体は完治しておらず症状が軽減しただけです。歯ならびが悪くなる原因は、顎骨の形態や位置、歯の形、咀嚼筋や舌などの軟組織の問題です。原因である顎骨や歯や軟組織はそのままにして歯の位置だけを変化させているのです。原因は除去されていませんから、病気自体は完治しておらず症状が軽減しただけです。 歯は顎骨や歯や軟組織に影響を受けて歯が安定している位置に動いてきます。たとえば、口唇によって前歯に前歯が後方移動する方向に力が加わっており、舌によって前歯に前歯が前方移動する力が加わっている。お互いに反対方向の力が均衡した位置に前歯は移動するのだとの考えもある(実際にはもっと複雑です)。すなわち、後戻りした位置に歯が押されてきたのであり、歯に加わる色々な方向からの力が均衡した位置に向かって歯は移動する。"抜歯や骨切り手術をすれば原因を除去できる"と考える人もあるかもしれませんが、軟組織がそのままですから、完全な原因除去とはならない。骨切り手術症例でも後戻りはあります。(Dr.井上の意見)
*"歯ならびは症状である"については意見が分かれるでしょう。
Orthodontic Relapse vs Instability (Peter Buschang, AAO 2021)
・Relapse(後戻り) (Dr.井上の意見:後戻りは、矯正治療前の状態の方向に歯が動くこと or 矯正治療が原因で矯正治療後に歯が動くこと)
- - A return toward the pretreatment condition (Reidel 1975, Enlow 1980, Vaden et al 1997, Thilander 2000)
- It has to be related to treatment
- Cannot be due to normal physiological changes that occur (Horowitz and Hixon 1969)
・Instability(不安定) (Dr.井上の意見:不安定は、矯正治療前の状態ではない方向に歯が動くこと or 矯正治療を受けていないヒトでも歯は動いていますから、このような歯の動きを不安定という)
- - relates to posttreatment changes that are not due to relapse
以下の後戻りの原因は、それぞれの項目における一例を挙げて説明しています。列挙した例だけでなく、他にも色々なことが考えられます。"考えられます"ですので、エビデンスはありません。しかし、"エビデンスに基づいて治療する"のであれば、治療できません。現実は、確固たるエビデンスはなくても、"一般的に行われている治療"をしています。
原因1: 骨
- 上顎骨と下顎骨が左右的にズレていると、上顎歯列の正中と下顎歯列の正中を矯正治療で一致させても、矯正装置撤去後に、顎骨の形に影響を受けて正中のズレが再び生じます。
原因2: 歯根膜
- 歯根と骨はダイレクトに接合しているのではなく、歯根膜を介して歯根と骨が接合している。ハンモックのように歯根は歯槽骨の穴にぶら下がっているのです。ですから、矯正治療をしていなくても、歯を指で動かすと歯が少し動きます。歯根膜の厚みは0.15mm-0,38mmぐらいです。矯正治療による歯の移動によって歯根膜が引き延ばされます。引き延ばされた歯根膜が元に戻ろうとして後戻りします。
原因3: 舌
- 開咬症例で、オーバーバイトをプラスにしても、矯正装置撤去後に舌が上の歯と下の歯の間に入り込み開咬が再び生じることも多い。
原因4: 咬合
- 上の歯と下の歯がこすれることによって歯の咬合面は咬耗しており、上の歯の咬耗面と下の歯の咬耗面が決まった位置で接触することによって安定した歯の位置が維持されている。歯を1mm移動させても(この1mmは例えばの数字で、エビデンスはありません)、上の歯の咬耗面と下の歯の咬耗面が元の位置で接触するように歯が移動する。昔は、矯正装置撤去時に歯の咬合面を削合して新しい咬耗面を作る先生もあったが、今は歯の咬合面の削合の話は聞かないです
上顎中切歯歯冠が厚く上顎側切歯歯冠が薄い症例では、矯正治療によって4本の上顎前歯の唇側面を前後的に揃えると上顎側切歯舌側面が下顎前歯切端と接触していないこともある。この場合には、上顎側切歯舌側面が下顎前歯切端と接触する位置まで上顎側切歯が後退してくる。上顎中切歯歯冠の厚みと上顎側切歯歯冠の厚みの差は0.5mmぐらい。治療上は上の4本の前歯の唇側面を揃えずに上顎側切歯唇側面を上顎中切歯唇側面と比べ0.5mmほど後方に配列するのだが、個人差が大きく、また、厚みだけではなくoverbite, overjet, inclination などの要因もあるので、ピッタリとはいかず後戻りすることもある。
原因5: 顎関節
- 矯正治療後に、関節窩における関節頭の位置が元に戻った結果、後戻りが起こった。
原因6: 咀嚼筋
- 矯正治療によって関節窩における関節頭の位置を適正にしたが、咀嚼筋が下顎骨を "たとえばサンデー・バイトの位置" に移動させることによって後戻りが起こった。
原因7: 成長
- 子供の頃に機能性前歯部反対咬合の受け口を治療し受け口はなくなったが、成長と共に下顎が過成長し骨格性前歯部反対咬合になり再び受け口になった。定義によれば、これは後戻りではなく、再発でしょうか? それでは、別の症例で、子供のころに骨格性前歯部反対咬合の受け口を dental compensation で治療し受け口はなくなったが、成長と共に下顎が更に過成長し骨格性前歯部反対咬合になり再び受け口になった。定義によれば、これは後戻り?
*医学は実践的学問ですので、結構、定義が曖昧だったりします。というよりも、ヒトの身体の仕組みの全てを定義づけるのは困難なのでしょう。
*他の矯正歯科クリニックのホームページを見ると、後戻りの原因は、リテーナ不使用や舌癖や親知らずなどが列挙されていますが、実際はもっと多くの要因が複雑に絡み合っています。
H. 矯正治療の問題点
- Problems of the orthodontic treatment (Anne Marie Kujipers Jagtman. IOC,2020)
-
・Change after treatment
・Non-ideal results
・Compromised facial esthetics
・Apical root resorption
・Pulpal damages
・Periodontal problems
・Treatment duration
・Non-compliance
・Discomfort
・Allergies
-
Orthodontics Malpractice Claims (Data from a leading insurer)(W. Eugene Roberts, AAO 2021)
-
・Miscellaneous: 31% pathology, open bites, excessive enamel removal (IPR and debonding), poor outcome, inapproate communication etc.
・Periodontal issues 21%
・Generalized root resorption 17%
・Ectopic, impacted and un-erupted teeth 12%
・TMD 12%
・Decalcifications: White Spots, caries (especially for aligners) 7%
- Orthodontic Clock:
- Most patients will give the orthodontist about two years of reasonable cooperation, and the clock starts when the first brackets are bonded on anterior teeth.
I. 選択肢
ブラケット | ワイヤ | アタッチメント | 抜歯 | IPR・顎間ゴム・スクリュー | リテーナ | その他 | |
表側装置 | セラミックorプラスチックorメタル | ホワイトor銀色 | 症例による | 症例による | 必要 | ||
裏側装置 | メタル | 銀色 | 症例による | 症例による | 必要 | ||
インビザライン | 必要? | 抜歯症例では治療期間長い? | 症例による | 必要 | |||
外科矯正 | 必要 | 健康保険適用? | |||||
セラミック矯正 | 不要 | 治療期間が短い・歯を削る |
・大学病院では効率の良い表側装置がメイン。
・裏側装置では"外から矯正装置が見えない"を第一に考えて治療し、装置の不便さや治療期間延長や治療結果(?)はあまり考慮しません。
・インビザラインは個人差が大きい?
・妥協したくない方は外科矯正(顎変形症なら健康保険適用?)。不正咬合の原因は骨と歯の両方であることが多い。歯列矯正では骨の問題は妥協して歯の問題だけを解決しようとします。一方、外科矯正は骨の問題と歯の問題の両方を解決しようとする治療方法です。
・セラミック矯正は短期間の治療、メインテナンス不要。タレントさんはセラミック矯正が多い?
・結局、何を優先するかを患者さまが考える必要があります。
J. ネット予約のトラブルシューティング
- ・半角入力すべきところを全角入力した
- ・患者さまのメールアドレスのスペリング・ミス
- ・スマホが着信拒否に設定されている
- ・確認メールが迷惑メールと判断された可能性があるので、迷惑メールのボックスの中を探してください
- ・サーバーが混んでいて、確認メールの送信が遅れている
利用者登録のページに記入して送信した後に、確認のメールが送信されてこない場合:
初診- 無料相談(約30分)
2回目-無料検査(約30分)
3回目-無料診断(約30分)
4回目-上下のセラミック表側装置接着(約60分)
毎月2万円づつ(分割1万円と再診料1万円)
装置料:1万円X43か月の院内分割
再診料:1万円 (来院ごと)
*院内分割金額と再診料の合計で毎月2万円づつ
*43か月より早く治療終了の場合は、
残りの分割金額を毎月1万円づつ銀行振込
*再診料に白色ワイヤ,スクリュー,リテーナ1組を含む
*今だけ消費税込み *院内分割は審査なし
"矯正治療をすれば 笑顔に自信が持てるようになります"
とネットにあったりしますが
矯正治療で人生は変わりません
今の自分をそのまま受け入れ
自分にやさしく
他人にやさしくすれば
人生はおのずと開けてきます
でも 自分を甘やかせてはいけません
お母さんはやさしいから子供を叱るのです